汎化加工された位置情報履歴データの有効活用に関する研究小委員会


■小委員長
古屋 秀樹(東洋大学)

■活動期間
2023年11月~2026年11月

■活動趣旨

【設立趣旨】
携帯電話の位置情報データを活用した時間の経過にともなう移動・滞在が記録されたデータが様々なデータベンダーにより整備されている.それらを活用して,トリップ目的や利用交通手段などを確度高く同定できれば,より多くの利用場面に適用できると考えられる.これらを念頭にしながら,【①想定した利用目的のもとでの汎化加工された位置情報履歴データとその派生情報に関する確度や信頼性の向上】,ならびに【②将来の観光計画,交通計画,都市計画の高度化に資するデータの活用】,以上を研究目的とした研究小委員会設置を申請致します.
観光交通を例に取ると,現在のビッグデータに基づく広域の交通流動把握では,代表交通機関や観光目的トリップの判定が困難と言える.推定移動速度に対して交通経路のマップマッチングやターミナルの位置情報や目的地の属性情報の付加によって,観光OD交通量が推定可能と考えられる.それにより,観光需要の季節変動の把握や地域側からのマーケティング分析,DMOによるプロモーション評価・事業評価への適用可能性が広がる.さらに,これらによってアンケート調査や意向データを活用しない条件下での汎化加工された位置情報履歴データの有効活用も期待できる.また,都市内においても上記同様の拡張性が考えられるものの,どのようなデータ取得などが求められているのか,精度や活用方法についてさらなる検討が必要となる.
そこで,本小委員会では,各研究者が①ならびに②について独自に研究を進め,定期的に意見交換を実施するとともに,実務者の参画を得ながら,利用可能性なども合わせた検討を進めたい.特に,②については,それに対応したデータ提供をブログウォッチャー社に依頼して検討を進めるものとするが,委員は他のデータを独自に確保しながら分析できる裁量も確保する予定である.
なお,学会内の研究小委員会という組織体設置を希望した理由としては,公的・アカデミックの観点から検討することが望ましいこと,多くの研究者の協力によって公共に関するデータ活用の検討が多岐にわたり進むことが期待,などがあげられる.

【研究内容】
携帯電話の位置情報データから生成された汎化加工された位置情報履歴データを用いながら,①利用目的の設定下における本データとその派生情報に関する確度や信頼性の向上,ならびに②将来の観光計画,交通計画,都市計画の高度化に資するデータの活用について検討を行う.具体的な研究テーマ案として下記が考えられる.
①汎化加工された位置情報履歴データの精度や信頼性の向上
・利用交通機関推定精度の向上
(都市間:航空,新幹線モードの同定,都市内:バス,自転車,徒歩モードの同定)
・トリップ目的推定方法の検討(通勤・通学,観光以外を含めて)
・精度・信頼性を有する本データ整備のガイドラインに関する検討
・本データの適用推奨範囲の明確化
②個別テーマに関する分析と汎化加工された位置情報履歴データの適用性について
・広域観光周遊行動の分析
・空間・時間分解能が高い広域観光交通の実態把握手法の検討
・高規格道路,新幹線整備などが流動に及ぼす影響分析
・交通起源のGHG排出量推定 など

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