第3回研究会
時間:2016年5月29日 15:30~17:00
場所:第53回土木計画学研究 発表会 第1会場
セッション概要
地方活性化のために今まで様々な公共政策が実施されてきたが、地方からの人 口流出(特に若者の流出)は止まらない。これは、地方が多くの人々にとって魅力的な“生活の場”になっていないた めだと考えられる。本スペシャルセッションでは、まず、公共政策が移住に与える影響に焦点を当て、様々な分野における国内外の既 存研究の成果を整理する。次に、日本におけるこれまでの公共投資が人口の地方定住にあまり寄与できなかった理由を検証する新たな 研究成果を紹介する。最後に、地方創生の最近の取り組み事例を整理し、“生活の場”の再生からみた地 方創生政策立案に関する政策立案の方向性について集中討議する。
セッション構成
1. 趣旨説明 張峻屹 広島大学
2. 話題提供
① 全国の視点からみた地方定住政策
今野水己 三菱総合研究所インフラマネジメントグループリーダー
(1) 地方創生に関する全国の動き(2) 地方版総合戦略(3) 地方版総合戦略の政策パッケージ(4) 地方版総合戦略の事業とKPI(5) 生涯活躍のまちづくり(6) 地方創生事業の検討状況
② 地方の視点:北海道における計画的な国土交通行政の推進に関わる近時の 状況について
澤野宏 国土交通省北海道開発局広報室・広報企画官
(1) 北海道総合開発計画(2) 国土形成計画等と北海道総合開発計画の関係(3) これまでの北海道総合開発計画の推移(4) 今回の計画の策定の背景(5) 今回の計画の概要(6) 全国のトレンドを踏まえた国土交通行政に関する具体的な取り組みの実例(7) 北海道の最新の諸計画の紹介
③ 海外の視点:ドイツの地方都市におけるquality of life :フライブルク市を事例に
フンク・カロリン 広島大学大学院総合科学研究科教授
ドイツでは、人口100万人以上の都市が4カ所と少なく、「大都市」と言われる人口10万人の都市が76カ所存在している。(1) ドイツの地域計画や行政構成の仕組み:独自 性の強い地方都市(2) Urban AuditとしてのQuality of Life 調査の都市政策や地 域計画での活用(3) ドイツの地方都市の生活環境と課題(4) フライブルク市の都市政策に影響する要因、 市民アンケート調査結果からみた課題、環境、教育と文化に関連する政策、環境モデル地区などを紹介する。