屋井鉄雄委員長所信


2016年10月1日

この度,桑原雅夫委員長を引き継ぎ,2016年6月より土木学会土木計画学研究委員会の委員長に就任しました。就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

土木計画学研究委員会は1966年の設立以来,精力的な活動を続けて今日に至り,本年その節目の年に,実行委員会(桑原委員長)による企画のもとで50周年記念事業を進めてまいりました。6月の春大会(札幌)時の特別セッション,9月の全国大会(仙台)時の研究討論会,9月26日の50周年記念シンポジウム(東京),そして11月秋大会(長崎)時の特別セッションと,計4回のシリーズ企画が組まれ,成功裏に開催されてきています。

50周年を迎えた本研究委員会のこれまでの学術的な発展,社会的な貢献の広がりなど,これらシリーズ開催の機会を通じて,余すことなくお伝えすることが出来たと考えておりますが,若手研究者の研究環境の厳しさや,そのなかで求められる社会貢献の難しさなど,社会に密着する土木計画分野ならではの悩ましい課題なども披露されました。土木計画学は土木学会の重要な研究分野として,土木計画学に関わると自負する人たちの柔らかな集合体として研究分野を広げ,社会との関係を保ちながら理論研究から実践研究まで幅を広げながら,大きく発展を遂げてきたと自負しております。

2017年になれば,50年を超え,新たな1年のスタートでもあり,本委員会としても新たな気持ちで,更なる発展に向けて活動を継続して行うことになると考えています。従来より本委員会は幹事会を中心に活動を展開してきましたが,今後はさらに一層若い力が結集でき,それが自然体で土木学会や社会への貢献,あるいは国際的な貢献につながるような枠組みを整備して行くことが望ましいと考えています。

そのため,2014年に百周年を迎えた土木学会の100周年ビジョンや100周年宣言に照らして,本委員会が大きく貢献できる事柄を再確認しつつ,中期的な取り組みの方向性を定め,それらに効果的に対応することが考えられます。また,本委員会の関係者が数多く貢献することで成り立ってきたアジア交通学会EASTSの枠組み等も活用しつつ,アジア諸国で活用可能な共通的な教育資源の開発等も検討に値すると考えています。

さて,今年度の秋大会は50周年を記念して,本委員会としては初めてとなる長崎の地,長崎大学での開催となりました。開催を快くお引き受け頂いた長崎大学の皆様にこの場を借りて御礼申し上げるとともに,新天地での開催を今後も検討して頂くよう,大会運営小委員会にこの場を借りてお願いしたいと思います。国内と変わらぬ距離にある近隣国での開催なども視野にご検討頂ければ幸いです。

末筆になりますが,まずは50周年記念事業に多大なご尽力を頂いた桑原雅夫前委員長,久保田尚副委員長をはじめとする昨年度の本委員会のメンバー,中でも若手特命チームの各位に感謝の意を表します。また,9月の記念シンポジウムでは東京大学の若手メンバーに運営のご協力を頂きました。この場を借りて御礼申しあげます。

本委員会の活動に対して,今後の皆様の変わらぬご協力,ご尽力を仰ぎ,就任のご挨拶とさせて頂きます。今後ともよろしくお願い申しあげます。